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無料で使い続けて3年、有料に変える気になれなかった理由
Spotifyを使い始めたのは2020年の春だった。友人に「ストリーミングに変えたら全然違うよ」と勧められて、とりあえず無料でダウンロードした。CDを買うのをやめてしばらく経っていたし、YouTubeで音楽を探して聴くのが面倒になっていた時期だった。
無料で使い始めてから3年以上、有料プランであるSpotify Premiumには一度も課金しなかった。理由は単純で「無料でも普通に聴けているから」だった。広告が入るのはわかっていたし、たまに曲をスキップできないのも許容できると思っていた。
変わったのは昨年。職場の同僚が「Premium使ったら戻れない」と言っていて、話を聞いてみると自分が思っていたよりも差があるらしいということがわかった。試しに1ヶ月980円を払って使ってみようと思ったのが、この検証のきっかけだった。
無料プランで3年使って感じていたストレス
Free版を3年使って、慣れてはいたが積み重なっていた不満があった。
一番気になっていたのは広告の頻度だった。だいたい2〜3曲に1回のペースで音声広告が入る。長さは15秒から30秒程度のものが多い。1時間の音楽再生で広告が10〜15回入ってくる計算になる。最初は気にならなかったが、集中して作業しているときに広告が入ると思考が途切れると感じるようになっていた。
次に気になっていたのはシャッフル再生の問題だ。スマートフォンのアプリでプレイリストを再生すると、無料版はシャッフル再生しか選択できない。「このアルバムを曲順通りに聴きたい」ということができない。アルバムの世界観を通しで味わいたいときにこれが地味に辛かった。
スキップも1時間に6回の制限がある。聴いてみて「今はこの曲じゃないな」と思ってスキップしていくと、すぐ上限に達する。6回使い切ると、その後は流れてくる曲を聴き続けるしかなくなる。
Premium初日に感じた差
課金してPremiumに切り替えた瞬間、一番最初に感じたのは「静かだ」という感覚だった。広告がない状態で音楽を聴く快適さを、3年ぶりに体験した感じだった。
思っていた以上に広告が精神的な負荷になっていたことに気づいた。毎日聴いているから慣れていると思っていたが、実は無意識のうちにストレスを受け取っていたのだと思う。
オフライン再生はWi-Fi環境でプレイリストをあらかじめダウンロードしておけば、通信なしで聴ける。電車の地下区間でも音楽が途切れなくなった。毎日の通勤で使うプレイリストをすべてオフライン保存したら、再生が途切れるストレスが完全になくなった。地味だけど、これが一番日常の快適さに直結した変化だった。
音質の差——320kbpsは本当に聴こえるのか
Premiumに変えると音質を「最高音質(320kbps)」に設定できる。FreeはWi-Fi時で最大128kbps、モバイル通信時は96kbpsだった。数値だけ見ると3倍以上の差がある。
実際に聴き比べてみた。使ったのはソニーのWH-1000XM5(ノイズキャンセリングヘッドフォン、4万円台)と、有線の安いイヤフォン(1,500円くらいのもの)だ。
WH-1000XM5で聴き比べたとき、違いはあった。高音域のきめ細かさが違う。シンバルの音やボーカルの息継ぎの部分で、Premiumの方が自然な広がりがある。ただ「劇的な差」かと言われると、慣れると認識しにくくなってくる程度の差だった。
安いイヤフォンでは正直なところ差がわからなかった。1,500円のイヤフォンは音質のボトルネックがスピーカー側にあるので、ビットレートが変わっても聴こえ方に違いが出にくい。
結論として、音質差は「良いヘッドフォンを使っている人には伝わる、普通のイヤフォンを使っている人には気にならない」だった。音質のためだけに課金するかは、使っているイヤフォン・ヘッドフォンの価格帯によると思う。
3ヶ月Premium使って、Free時代の自分に戻れるか
1ヶ月の試用で十分だと思っていたのに、3ヶ月継続していた。解約しようとしたときに「広告に戻るのは辛いな」と感じて手が止まったのが正直なところだ。
Premiumを使い続けて一番効いていると思うのは、オフライン再生と広告ゼロの2点だった。音質は3番目の理由で、むしろ機能面の快適さの方が日常的な満足度に与える影響が大きかった。
「Premium使ったら戻れない」と言っていた同僚の言葉の意味がわかった。戻れないというより、戻りたくないという感覚になる。3年間Free版を使っていた自分が「これでいい」と思えていたのは、Premiumの快適さを知らなかったからだとわかってしまった。
月980円の価値判断——どういう人に差が出るか
月980円(学生プランは480円)を払う価値があるかどうかは、聴き方の質と頻度によって変わると思う。
差が大きく出やすいのは、1日2時間以上音楽を聴く人、作業BGMとして使っている人、移動中にオフライン再生が必要な人、良いヘッドフォンを持っている人だ。これらに当てはまるなら月980円は明らかに元が取れると感じるはずだ。
一方で、1日30分未満しか聴かない人、スマホのスピーカーで流しっぱなしにしているだけの人、広告が入っても気にならない人なら、Free版で十分かもしれない。「ながら聴き」が主な使い方なら、広告がノイズとして溶け込んでしまって気にならないケースもある。
個人的な結論として、今は継続している。毎日1〜2時間は音楽を聴いているし、通勤のオフライン再生は外せなくなってしまった。ただ「差はあるか」という最初の問いへの答えとしては、「ある。ただし違いが体感できるかは聴き方と再生機器による」というのが正直なところだ。
Spotify以外と比較した場合
Apple MusicとAmazon Music Unlimitedも試したことがある。Apple Musicは月1,080円でロスレス音質(最大24bit/192kHz)を使えて、音質だけで言えばSpotify Premiumより上だ。ただスマートフォンがAndroidなので日常使いはSpotifyの方が使いやすかった。
Amazon Music Unlimitedは月980円でSpotify Premiumと同額。Amazonプライム会員なら880円になる。Echo端末を持っているならAmazonの方がシームレスに使えるが、そうでなければSpotifyとの差はほぼない。プレイリストの充実度は個人的にSpotifyの方が使いやすいと感じた。
結局は使い慣れたプラットフォームを使うのが一番で、乗り換えコストを考えると、今さらSpotifyから変える理由はない。Free版からPremiumに変えたときの差の方が、サービス間の差よりも大きかった。それが3年間試してみた感想だ。
